C#がオワコンと言われる理由とその誤解

C#

近年C#はオワコン、やめた方がいい、という意見を耳にします。
果たして真相はどうなのでしょう?
本記事ではオワコン説の理由と誤解を解説します。

1.C#がオワコンと言われる理由

1.1.モバイル市場での立ち位置の低下

C#はかつてMicrosoftの主要開発言語としてモバイルアプリ市場でも活躍していました。しかし近年、AndroidのためのJAVA、iOSのためのSwiftなど、プラットフォーム固有の言語が台頭してきたことで、C#のモバイル市場での存在感は相対的に低下しています。
Microsoftはクロスプラットフォームの.NET Coreを推進していますが、その普及は思うように進んでいません。モバイル分野においてC#がオワコン視される背景には、競合言語の台頭と、Microsoftの閉鎖的な生態系への依存度の高さが指摘されています。

1.2.Microsoftのクローズドな生態系に依存している

Microsoftはソフトウェア開発の世界で長年クローズドな環境を維持してきました。その結果、C#はMicrosoft製品に強く依存するようになりました。

このMicrosoft依存度の高さが、C#の弱点として指摘されています。C#アプリケーションはMicrosoft以外の環境で使いづらく、移植性が低いと考えられているのです。

一方、JavaやPython、Swift などの他の言語は、より汎用的で柔軟な環境対応が可能です。そのため、C#の地位が相対的に低下しているという見方があります。

つまり、Microsoftへの強い結び付きが、C#の「オワコン化」につながっているのが現状です。

最近他の言語の人気が高まってきた

最近、プログラミング言語であるPythonやJavaScriptが非常に人気を集めています。これらの言語は、さまざまな用途で活用できる汎用性の高さが特徴です。

Pythonは機械学習やデータ分析などの分野で広く使われており、初心者にも学びやすい優れた言語です。一方、JavaScriptはWebブラウザ上で動作するスクリプト言語として確立されており、フロントエンド開発やサーバーサイド開発など、幅広い用途で使えるのが魅力です。

これらの一般言語は、オープンソースで開発が進み、クロスプラットフォームでの利用が容易です。そのため、ユーザーの多様なニーズに柔軟に対応できるのが大きな強みです。

一方、特定のプラットフォーム(Windows)に依存しやすいC#は、こうした汎用性の高い言語の台頭によって相対的な地位が低下しつつあります。ユーザーニーズの変化に応じて、他の一般言語の人気が高まっているのが現状です。

C#がオワコンではない理由

  • エンタープライズ分野で依然として強い地位を維持している
  • Unity などのゲーム開発でも広く利用されている
  • Microsoft自体も.NET Coreなどで新しい展開を見せている
  • 人気言語ランキングでも上位に位置している

エンタープライズ分野で依然として強い地位を維持している

C#はエンタープライズ分野で非常に強固な地位を築いています。これは、C#がMicrosoftの.NETフレームワーク上で動作し、Windows環境との親和性が高いためです。多くの企業がWindowsを使用しているため、C#は業務アプリケーションの開発に最適です。また、C#はオブジェクト指向プログラミング言語であり、コードの再利用性や保守性が高いことも大きな利点です。さらに、豊富なライブラリやツールが提供されており、開発効率が向上します。これらの理由から、C#はエンタープライズ分野での開発において非常に重要な役割を果たしています。

Unity などのゲーム開発でも広く利用されている

Unityは、ゲーム開発において非常に人気のあるプラットフォームであり、C#がその主要なプログラミング言語として使用されています。Unityは、2Dおよび3Dゲームの開発に対応しており、初心者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに利用されています。C#は、Unityのスクリプト言語として、ゲームオブジェクトの動作やインタラクションを制御するために使用されます。C#のシンプルで直感的な構文は、初心者にも理解しやすく、効率的な開発を可能にします。また、豊富なドキュメントやコミュニティサポートが提供されているため、学習や問題解決も容易です。これらの理由から、C#はUnityを使用したゲーム開発において広く利用されています。

Microsoft自体も.NET Coreなどで新しい展開を見せている

Microsoftは、.NET Coreを通じて新しい展開を見せています。.NET Coreは、クロスプラットフォーム対応のオープンソースフレームワークであり、Windowsだけでなく、LinuxやmacOSでも動作します。これにより、開発者は異なるプラットフォーム間で一貫したアプリケーションを作成できるようになりました。また、.NET Coreは高性能でスケーラブルなアプリケーションの開発を可能にし、クラウド環境との親和性も高いです。さらに、Microsoftは定期的にアップデートを行い、新機能や改善を提供しています。これにより、.NET Coreは最新の技術トレンドに対応し続け、開発者にとって魅力的な選択肢となっています。

人気言語ランキングでも上位に位置している

C#は、人気プログラミング言語ランキングでも常に上位に位置しています。これは、C#が多くの開発者に支持されている証拠です。C#は、Microsoftが開発した言語であり、Windowsアプリケーションやゲーム開発、Webアプリケーションなど、さまざまな分野で利用されています。特に、Unityを使ったゲーム開発では、C#が主要な言語として使用されており、そのシンプルで直感的な構文が初心者にも理解しやすいと評価されています。また、C#はオブジェクト指向プログラミング言語であり、コードの再利用性や保守性が高いことも人気の理由です。これらの要素が組み合わさり、C#は多くの開発者にとって魅力的な選択肢となっています。

以下は2023年11月のTIOBE Indexに基づくプログラミング言語ランキングのトップ10です。
プログラミング言語は数百個あるといわれています。
C#は5位にランキングしており、約5%のシェアを持っています。
約5%は少ないように感じるかもしれませんが、1年間に生産されるプログラムは1億本とも言われています、1憶の5%ですから500万本ものC#プログラムが作られていることになります、これはすごい数です。今後も同程度のシェアが見込まれます。

順位プログラミング言語シェア
1Python22.85%
2C++10.64%
3Java9.60%
4C9.01%
5C#4.98%
6JavaScript3.71%
7Go2.35%
8Fortran1.97%
9Visual Basic1.95%
10SQL1.94%

結論

  • C#のシェアが下がっていることは事実
  • ソフトウェア市場全体が伸びているのでC#の需要も伸びている
  • MicrosoftWindowsがある限り(当面無くなる気配はない)C#の需要は依然として高い

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